私は絵本がたくさんあるお家で育ちました。
おおきな本棚にぎっしりと並ぶ絵本たち。
いったい、何冊あったのだろう。と大人になった今、ふと考えたりする。
小さなころ母が読み聞かせてくれた物語たち。
まるで本当に私の目の前にその世界が広がっているかのよう
音や感触、匂いや温度などを鮮明に感じながら
心を澄まして聞いていたのを覚えています。
今思うとそれは本当にそこに広がっていたんだってわかる。
今日は冬にぴったりの
私のお気に入りの1冊をシェアさせてもらいます。
『もりのてがみ』

片山令子さん作、片山健さん 絵
『もりのてがみ』。
物語も世界観も、温かく可愛い。
枝に積もる雪、冬の寒さと広がる静けさ
季節の移り変わり、大地と動物たちの存在..
そういったものを感じさせてくれる一冊です。
この本の絵を描かれている片山健さんの絵というのは
なんとも不思議な魅力がある。
私は細部まで世界が満ちている絵本が大好きなのだけど
健さん(突然の健さん呼び)の絵もまさにそれ。
ユニークで唯一無二。
そして、細部まで世界が満ちている。
美しい絵というものは練習すれば、技術を身につければ
ある程度は誰にでもかけてしまうだろうけれど、
その人にしか描けない深みのある世界観というものがある。
その絵が好みか好みじゃないか
上手いか上手くないかとか、そんな話ではなくて。
なにかを届ける力を持つ絵。
その人にしか描けないもの。
私はそういうものに子供たちが小さい時からたくさん触れてほしいなって思うし、自分もいつまでもそういうものに触れていきたいんだ。
片山 健さんのかかれているコッコさんシリーズというのがあるのですが、
その中で『コッコさんのおみせ 』という作品があります。
これも本当に何回も読んでもらった一冊です。
主人公のコッコさんが色々なお店を始めるお話で
最後に開いたカレー屋さんでは、カレーの材料におはじきやビー玉、色とりどりの小物がたっぷりと使われていて。キーホルダーやらなんらやも混ざっていた記憶。
小さな頃のわたしはそこに描かれている様々な小物の
感触やその温度をとてもヴィヴィッドに感じていました。
小さな頃の私にとって、物語を読んでもらう時間は
その本の世界を体感・体験している時間だったのだろう。
そしてその経験たちは、私の感性にしっかりと影響を与えていると思う。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
素敵な1日を☺︎