【名作白黒映画】Our Town(邦題:わが町)|レトロなムービーナイトのすすめ

先月の暑かった日に、採れたてモヒートミントで作ったノンアルMojito片手に『Our Town』という白黒映画を鑑賞しました。映画の邦題は『わが町』。アメリカの劇作家・小説家 Thornton Wilder (ソーントン・ワイルダー 1897-1975) の作品で、物語はニューハンプシャーのグローバーズ・コーナーズという架空の町が舞台の物語です。

トータルで90分ある内の70分はなんてことない日常を淡々と描いていてちょっと退屈 見どころと言えば古き時代の生活や家具や小物といったところでしたが

その淡々とした日常の描写は、この映画が伝える大切なメッセージを私たちに届けるための長い前振りだったことに最後に気がつきました。まさにヒロインのエミリーのように。

 

ここからネタバレ注意⚠︎

ヒロインのエミリーは予期せぬことであの世に行くことになってしまい、あの世から自分の人生のなんてことない平凡な1日に訪れたいと願いました。そしてその望みが叶ったとき、エミリーは生者がどれほど全てを当然のごとく思っているかに気がつきます。

 

『いろんなことが起こっていたのに、私は気づかなかった。

気づかないで過ぎていったんだわ・・・ さようなら、この世。

 

さようなら、グローヴァーズ・コナーズの街並み・・・

ママとパパ。

チクタクと音を立てる時計や・・・

ママのひまわりも、さようなら。

食べ物とコーヒー。

アイロンを当てたドレスや熱いお風呂・・・

 

眠りにつき、目が覚めること。

あぁ、この世はあまりに素晴らしすぎて、誰一人そのよさに気づかず生きているのだわ。』

 

悩みや葛藤、失敗や悲しみ、喜びや幸せ、いろんな感情が湧き上がる日もあれば、なんてことない平凡な1日もあるけれど、そのどれもがかけがえのない煌めきなんだよね。ここでの体験の全ては、ここで一緒に過ごせる時間の全ては、永遠の宝物なのでしょう、私たちの魂にとって。

原作ではエミリーはそのままあの世に行ってしまうのだったか忘れてしまいましたが、映画ではエミリーは命をとりとめ、大切な人々と再び共に過ごす時間を手にします。

ハッピーエンドなので、悲しい結末の映画は観れないわという方にもおすすめの白黒映画。

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レトロな白黒ムービーナイトを是非。

 

最後に『死ぬ瞬間』の著者、アメリカの精神科医 Elisabeth Kübler-Ross (1926−2004)の言葉で締めさせてもらおう。

地上での時間が限られており、しかもいつその時間が終わるか知る術がないことをわきまえ、理解したときに、私たちはあと1日しかないかのように、毎日を最大限に充実させて生き始める。


 

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